か ご め  か ご め 

 か ご の な か の と り は 

 い つ い つ  で や る 

 よ あ け の ば ん に  つ る と か め が す べっ た

 う し ろ の しょう め ん  だ れ





 榊、何を歌っているのですか。

 榊の傍にいた神さまは榊の歌う唄に疑問に思って聞いてみました。

 神さま、これはあの子が歌っていたのです。

 子供が遊ぶために使われる唄でもあるのですよ。

 そこに、右目だけが赤い男が割り込んで言いました。

 中にいる鳥は出られるのかい? と。

 出られますとも。

 榊は幸せそうに言いました。

 最後は鶴と亀が助けてくれるのです。

 男と神さまは顔を見合わせました。

 それでは、後ろの正面には一体誰がいるのでしょう。

 榊は二人が思っていることを悟り、それはね、と続けました。

 鳥の仲間がずっと見守ってくださるのですよ。

 何処にいても、鳥は一人ではなくなるのです。





 榊は幸せそうでした。

 その表情を見た神さまも男も、幸せそうでした。




終。

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